アルデュイーノってなんでしょう?

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今回はあらためてアルデュイーノについてご紹介いたします。既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、クリス・アンダーソン(著)関美和(訳)「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」*Maker Faire Tokyo 2012などで最近目にした耳に入ったという方もまた大勢いらっしゃると思いますので、おさらいもかねてご説明いたします。とくにソフトウェア技術者さん、メディアアートなどのアーティストさん、何か動く工作をしたい方、学生さん、研究者の方など、ぜひご一読下さい。

●アルデュイーノってなんでしょう?

アルデュイーノ、アルディーノとかアーデュイノなどとも読まれたりしますがイタリア語や英語圏ではアルデュイーノなので、正しく覚えてくださいね。つづりはArduinoです。このアルデュイーノとは、アトメル社の8bitマイコン(AVR)を搭載したマイコンボードとそれに書き込むプログラムを作成するための開発ソフトウェアの事をさします。このマイコンボードに部品を繋いで、ちょっとプログラムを書き込めば、人が近くを通ると点灯するライトやスイッチを押すと音が鳴るインターホンなんかが簡単に作れちゃうんです。

アルデュイーノ・マイコンボードにはいくつかの種類があります。代表的なものには、最も標準的で初めてアルデュイーノ・マイコンボードを触る方におすすめのArduino Uno(アルデュイーノ・ウノ)や、Arduino Unoよりピン数も多くメモリも基板も大きめなArduino Mega 2560(アルデュイーノ・メガ 2560)、USB通信機能を持っていてマウスやキーボードの機能を簡単に作ることができるArduino Leonardo (アルデュイーノ・レオナルド)などがあります。どのマイコンボードも手のひらサイズです。アルデュイーノ・マイコンボードはUSBケーブルを使って簡単にパソコンと繋ぐことができます。パソコンと繋いで、パソコンと通信しながら使うことも出来ますし、アルデュイーノ・マイコンボードを直接電源に繋いで、単体で動かすことも出来ます。

Arduino Uno R3 Arduino Mega 2560 R3 Arduino Leonardo

これらの他に、もっと小型のものや、服に縫い付けて使うもの、目的に特化されたものなど様々なアルデュイーノ・マイコンボードがあります。

アルデュイーノの特徴のひとつは、アルデュイーノのマイコンボードに書き込むスケッチ(アルデュイーノでは、プログラムのことを「スケッチ」と呼びます。)の開発ソフトウェアが無償で用意されていることです。Windows用、mac用、Linux用が揃っているので、大抵のパソコンで使うことができます。画面はとってもシンプルで、メニューも日本語化されて分かりやすいです。スケッチの例もいろいろ入っています。この開発ソフトウェアはアルデュイーノ IDE(Arduino IDE)と言います。実はアルデュイーノIDEの日本語化は当社スイッチサイエンスが行いました。

Arduino IDE Windows用 Arduino IDE mac用

また、アルデュイーノは既に50万台以上も出荷されており、世界中にたくさんのユーザがいて、みんなが自分の作った物を公開してくれているのも大きな特徴です。そのおかげで、アルデュイーノを使っていて分からないことが出てきたとき、インターネットで検索すればだいたいのことはすぐに解決することができます。

●アルデュイーノをはじめるには何が必要?

初めての方には、まずは当社で販売している「Arduinoをはじめようキット」をお勧めします。このキットには、アルデュイーノ・マイコンボードの定番であるArduino Unoと、LEDやプッシュスイッチといった基本的な部品一式が入っています。はんだづけが必要ない部品のキットですので、アルデュイーノを手軽にはじめるのにぴったりです。このキットはアルデュイーノの開発者が書かれたArduinoをはじめよう 第2版という書籍に対応しています。ですので、このキットさえ持っていれば、書籍の中に出てくるさまざまな作例を自分で組み立てて試してみることができます。(部品の足を曲げるためのラジオペンチや部品をつまむためのピンセットもあると便利かもしれません。)
もちろん、アルデュイーノ・マイコンボードを単品で手に入れて、自分の作りたい物に合わせた部品を集めてもOKです。初めての方にはArduino Unoがおすすめです。

次は、アルデュイーノIDEです。お手持ちのパソコンにこちらからダウンロードして下さい。2012/12/11現在の最新版は1.0.3です。使うアルデュイーノ・マイコンボードによって、ドライバのインストールが必要な場合があります。こちらを参考にして下さい。

そして、USBケーブルです。アルデュイーノ・マイコンボードによってマイコンボード側のコネクタが違うので注意しましょう。Arduino UnoにはこちらのUSB2.0ケーブル(A-Bタイプ)が対応しています。※追記:2013年4月3日より、「Arduinoはじめようキット」にはUSBケーブルが同梱されるようになりました。

アルデュイーノのマイコンボードと パソコンと USBケーブル

さらに発展して色々試してみたい方には、Prototyping Lab Kit Vol.1Vol.2Vol.3(ver.2)もあります。これらは小林 茂さんの著書「Prototyping Lab ―『作りながら考える』ためのArduino実践レシピ」に沿った部品キットです。

Arduinoをはじめよう 第2版 Prototyping Lab ―『作りながら考える』ためのArduino実践レシピ

アルデュイーノを開発しているチームから最近The Arduino Starter Kitが発売されました。こちらはArudinoをはじめようキットと同様にアルデュイーノを初めて触る人にぴったりのキットです。全編英語ではありますが、とっても分かりやすい解説書もついています。その他、TinkerKit - 標準セット スターターセットなどもアルデュイーノ開発チームから出ています。
アルデュイーノは関連書籍もたくさん発売されています。「Arduinoをはじめよう」などですこし慣れてきたら、スイッチサイエンスのArduino関連書籍amazonの検索*で自分に合った物を探してみるのもよいかもしれません。
上記に示した商品は、全て当社、スイッチサイエンスのWebショップにてご購入いただけます。(一部の商品はamazon*でも販売中です。)

それから、アルデュイーノを使い始めて分からないことが出てきてしまった!インターネットで検索してもなかなか解決しない…という場合には、当社が運営するはんだづけカフェを訪ねてみてはどうでしょう。特に毎週月曜日の18時から20時半には「Arduino道場」として、Arduinoで作ったものを自慢したり、分からないところをみんなで考えたり教え合ったりする場を開いています。ぜひ一度足を運んでみて下さい。

ざっとアルデュイーノについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?すこしでもご興味を持っていただけたら幸いです。

注) * マークが付いているリンクはamazonアフィリエイトです。