Tesselさんにお邪魔してきました

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Tessel日本での独占販売権を与えてくださったTechnical Machineさんにお邪魔してきました。Tesselは、ARM Cortex-M3マイコン(LPC1830)とWi-Fi(CC3000)をJavaScriptで開発できるという面白いボードです。Technical Machineさんは、Dragon Innovationというクラウドファンディングのサイトで資金調達して設立されたベンチャー企業です。マサチューセッツ州にある学校の同級生という繋がりで集まったチームで、皆、とても若かったです。

Technical Machineのオフィスは、BSD発祥の地であるカリフォルニア大学バークレー校のある、バークレーにありました。
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中に入ると、ロフト付きの広々とした空間がありました。開発やサポート、コミュニティ活動をここで行い、製造や発送は外注しているそうです。
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カリフォルニア州に移動してきて、まだ、そんなに経っていないということでした。開発用の機材も少なめです。もともと学生だった彼らは、学校の設備を使って開発を行えたのでしょう。オシロスコープも、バークレーに越してきてから買ったということでした。ロジアナは、SaleaeのLogicを使っていました。
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Tesselはオープンソースハードウェアで、CADのデータも公開されています。DipTraceというCADが使われていたので、私もちょっと評価してみたことから印象に残っていました。なぜDipTraceを採用したのかが不思議だったので聞いて見たところ学校が採用しているものだったから使っているということでした。

歴代のTesselの基板があったので、見せて貰いました。一番左のものが最初に作ったプロトタイプ、一番右のものが製品で、左から右にいくにつれ新しいものです。右から二番目の部品の載っていない赤い基板は、電源投入時にうまくブートできないという問題が発生したため、お蔵入りになってしまったものだそうです。
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TesselといえばNXPのLPC1830なのですが、当初はFreescaleのKL25Zだった様です。当初はArduinoフォームファクタも考えていた様ですね。2枚目からは、LPC1830のQFPが使われています。試作には足付きのものが便利で、NXPのパッケージの豊富さはこういうとき重宝すると思います。
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四世代目からは、製品に大分近づいてきました。
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他に、ソフトウェアのリリース前テスト用のベンチを見せてもらったりもしました。このテスト用のパソコンには、学校名や氏名が書かれていて、彼らがつい昨年まで学生だったのだということを思い出させてくれます。
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Tessel本体の量産はアメリカ国内の実装屋さんに依頼しているそうで、実装屋さんに提供している治具も見せてもらいました。Raspberry Piと接続してテストを行っているそうです。Tessel用のモジュールは、BGAなど実装の難しいパッケージを使っていないため、中国で量産しているとのことでした。
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最後に、オフィスに居た皆さんと一緒に写真を撮ってきました。一人だけ外していたときだったのですが、現在のところTechnical Machineは七名のチームということでした。写真の一番上に写っているのが案内してくれたJiaで、ハードウェアの設計は彼女が担当していたそうです。余談ですが、写真の一番下に写っているのが私です。
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