導電インクをくらべてみた

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みなさん、導電インクを知っていますか?導電インクは名前の通り、電気を通すインクです。これを使えば、はんだづけをせずに回路を描くことができます。スイッチサイエンスは、黒い導電インクと銀色の導電インクを販売しているので、今日はこの2種類のインクを比べていきます。

ConductivePens

黒い導電インク
イギリスの会社 Bare Conductiveが発売しているのが黒い導電インクです。インクは絵の具のようなチューブに入っていて、チューブ側面を押しながらインクを出していきます。インク自体がすこしネバネバするので、絵の具みたいです。一度にたくさんでてしまうので、絵筆や綿棒などで薄く伸ばしながら使うのがコツです。壁でもベニヤ板の上でもどこでも描くことができます。

導電インクペン 10ml  1,180 円(2014年11月現在)

銀色の導電インク
東京のベンチャー企業 AgIcが開発したのが銀色の導電インクペンです。東京大学で研究されている技術を使って製品化しました。インクの銀色は、本物の銀の色です。普通のペンと同じように使うことができますが、紙は専用の光沢紙を使わなければいけません。プリンタ用カートリッジがあるので、細かい回路をパソコン上で設計して、印刷することもできます。

AgIC 導電性インクマーカー  1,296 円(2014年11月現在)

1.抵抗値はどのくらい?

抵抗値を調べるために、AgIC A6専用紙にインクを塗ります。写真の左上がインクを伸ばさずにべったり塗った黒い導電インク、右上が薄く伸ばしながら塗った黒い導電インク、真ん中の下がAgICの銀色の導電インクです。円の大きさは直径4.5cmです。少し見づらいですが、左上の円はインクを乾かす過程でひび割れていきました。
CompareWithBlackAndSilver

さっそく抵抗値を計った結果は次のようになりました。
黒い導電インク(厚め):69.3kΩ
黒い導電インク(薄め):62.5Ω
銀色の導電インク   :10.2Ω

厚く塗った黒い導電インクの抵抗値がとても大きいのは、ひび割れのためだと考えています。黒い導電インクを広い面積に塗るときは、何かで伸ばしながら塗るのがよさそうです。銀色の導電インクの抵抗値は黒いものに比べてとても小さいので、複雑回路を作るときにも使えそうですね。

2.どんな商品があるの?

黒い導電インクのBare Conductiveからは、光るメッセージカード光るおうちを作るキットが発売されています。今週末のMaker Faire Tokyo2014でも販売します。
IMG_2601

銀色の導電インクのAgICからは、AgIC LED&電池セットが発売されています。
このキットを使えば、光る名刺をつくることもできます。
AgIC_how_it_works

チップLEDを使うので、少し大人向けのキットですが、配線を描くときにインクの量を調整する必要がないので、普通のペンでお絵描きをするときと同じ感覚で使えます。そして、お絵描きには消しゴムや修正液がつきもの。導電インクは消せないのが難点だったのですが、最近、導電インクを消すペンが開発されたそうです。今日から、Kickstarterで製品化のための資金集めを始めたそうなので、気になる方は出資してみてください。