インタラクション2015に行ってきました

こんにちは、小室です。3月7日にお台場の東京国際交流館で行われたインタラクション2015のデモセッションに行ってきました。

「インタラクション」はインタラクションに関する最新の技術や情報を交換して議論するシンポジウム、いわゆる学会です。3月5〜7日にお台場の未来館と東京国際交流館で開催されました。この分野では国内最大級の学会のひとつです。学会というと堅いイメージがあるかと思いますが、インタラクションはとてもオープンな雰囲気です。ニコニコ動画で配信したり、土曜日にだれでも無料で見られるデモセッションを行ったり、気軽に参加することができます。KEYNOTEさえもニコニコ動画で公開されています。今年のKEYNOTEはHCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)の研究分野では最も有名な研究者のひとりであるPatric Baudisch先生によるトークでした。パーソナルファブリケーションについて、これまでの流れや今まさに進められている研究、未来も含めたお話をムーアの法則と絡めてされています。ニコニコ動画のプレミアム会員の方はタイムシフトで【インタラクション2015 2日目】一般講演4 + KEYNOTEをぜひご覧ください。1時間程度のトークです。

土曜日には一般に無料で公開されているデモ発表を見てきました。わかりやすくてキャッチーなデモが多かったように感じます。少しだけご紹介です。

RoboClock: 壁時計型ロボットを用いたインタラクション手法」鈴木 陽亮、沖 真帆、塚田 浩二

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スイッチサイエンスでも取り扱っているうおーるぼっとR4キットを使った研究です。壁を移動するロボットを使ったインタラクション手法のひとつとして壁掛け型時計を提案しています。うおーるぼっととBluetoothドングル、スマートフォンと壁面のグラデーションパターンを組み合わせたシンプルな構成です。グラデーションパターンによって、壁面の位置を認識しています。今回は目覚まし時計の提案をしていました。スヌーズ機能が働くたびに時計が上に移動して、最終的には起き上がらないと目覚ましを止められなくなります。

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著者のひとりである沖真帆さんは私が大学の研究室に所属していた頃の後輩。スイッチサイエンスでアルバイトもしてくれていました。実は彼女は大学院生のころも目覚まし時計の研究をしていたのです。そんなに起きたいとは…!(笑)

「VibraPen: 簡易制御可能な高周波振動フィードバック機能を持つスタイラス」尾高陽太、福地健太郎

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触覚フィードバックに関する研究です。ポイントは実装が簡単なところです。振動子とスタイラスをくっつけているだけ。振動はヘッドフォン端子からの音声出力で制御します。実装が簡単だと触覚フィードバックもグッと身近になり、手軽に実験してみようかなって気になります。

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触らせていただいた感じでは、ザラザラとした紙に線を書いているような感覚を得られました。出力する音声によっては、もっと凸凹した感じやヌルヌルした感じも出せそうです。

「おなかのげんじつ: ベルト着用をトリガとした自動腹囲測定システムの開発」松田 裕貴,岩波 慶一朗,長谷川 高志,石岡 匠也,斉藤 直矢,新井 イスマイル

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GUGENMashup Awardにも出品された研究です。ベルト型デバイスはこれまでにもいくつか提案されていますが、これはド直球。ウエストサイズを自動で測って記録してくれるデバイスです。スマートフォンアプリもあって、管理もできます。

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ベルトを使って日常的な行動をトリガーに腹囲を図るというのは健康管理目的のシステムには持ってこいだと思います。健康管理のシステムって、最初はやる気があるから使うけど、徐々に使わなくなりがちなので。

「トイレ使用者識別のためのペーパ回転センシングデバイス」倉橋 真也、村尾 和哉、寺田 努、塚本 昌彦

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ペーパー回転方向の1軸加速度を計測して、ペーパーの巻き取り方の特徴を算出しています。

重要な生体情報がたくさんとれるであろう場所はたくさんあります。トイレとか、お風呂とか。ただし、生体情報はとれたとしても、「誰の」生体情報かを識別するのはすごく難しいです。カメラを設置するわけにもいきません。この研究は、トイレで取得できる生体情報をトイレットペーパーの巻取り方の特徴から個人識別できるのではないか、という提案です。着眼点がユニーク!

「WalkingDoodle: 導電性樹脂と3Dペンを用いた「歩く」3Dドローイングの基礎検討」上ケ市 亜矢、田中 瞳、山岡 潤一、筧 康明

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3Dペンを使って導電性樹脂で電極同士を結ぶと黄緑色の足が動き出します。動き出したものとユーザの間にどんなインタラクションが起こるかを検討した研究です。どんな絵を付け足すかとか、愛着のようなものはわくのか、とか。導電性の素材も最近はいろいろ出ていて、今までとは違う電子工作の形も増えそうです。他の人とのコラボレーションもおもしろそうです。でもやっぱり、空間に絵を描くのはなかなかむずかしそうでした。

「Rijowarts: 技術関心を誘引するエンタテイメントシステムの開発と評価」西村 綾乃、氏間 可織、安齊 クレア、甲藤 仁美、有本 茜、橋本 菜摘

最後は私の古巣、お茶の水女子大学椎尾研究室の有志でやっている活動です。老若男女、年齢問わず理工系技術に興味を持ってもらおうというコンセプトの活動です。楽しいアトラクションにどのような最新技術が使われているのか、興味をひきやすくするような工夫がなされています。個人的には可愛い後輩がやっていたのでそれだけで十分興味しんしん。学会だけでなく、もっと一般に開かれたイベントでも展示したいとのこと。興味のある方は公式ウェブページでご確認ください。

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空飛ぶ箒に乗る後輩。

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薬の調合アトラクション。ディスプレイに表示される材料を置くの壺の中に入れて、指示された回数だけかき混ぜて薬を調合するというゲーム。瓶のそこにARマーカーが貼り付けてあって、識別できるようになってます。

学会というと堅いイメージがあると思いますが、インタラクションの最終日はMaker Faireとかニコニコ方面のイベントでも見かけそうな研究が盛り沢山でした。もちろん学術的な背景があってこその研究発表なわけですが、そんなことは気にせず、フラッと立ち寄って楽しんでみるのもいいですよ!

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