こんにちは すみやです。
今回はスイッチサイエンスから発売する「A111搭載測距モジュールピッチ変換基板」を紹介します。A111は60 GHzのパルスレーダーによる距離測定モジュールです。Raspberry Piと接続すれば距離だけでなく様々な情報を取得できます。
この商品はSparkFun社のPulsed Radar Breakout - A111とほぼ同一の物ですが、パルスレーダーを出すため電波法の対象となり、工事設計認証(いわゆる技適)の表示が必要になります。当社の商品には技適マークがあるので安心して国内で使用することができます。
今回はSparkFun社によるサンプルプログラムとAcconeer社による GUIツールを試していきます。
今回使用するのはRaspberry Pi 4 4GBモデル OSはRaspberry Pi OS Liteです。Windows10によるssh接続で操作します。
インターネットへの接続後、apt-get update
やraspi-config
などパッケージリストの更新や基本的な設定を済ませます。また、SPI通信を有効にします。
現在、Sparkfun社のサンプルプログラムを含むSDKはAcconeer社のサイトのみダウンロード可能です。developer.acconeer.comよりアカウントを登録する必要があります。
ログイン後、Software Downloadsよりacconeer_rpi_sparkfunをダウンロードします。ダウンロードしたフォルダを解凍しRaspberry Piにアップロード後、make all
でビルドします。サンプルプログラムとして/out/
にある./example_detector_presence_rpi_sparkfun_a111_r2c
を実行すると、A111と上部の物体までの距離を取得できます。
A111センサは距離だけでなく、様々な情報も取得可能です。Acconeer社によるGUIツールAcconeer Exploration Toolを使用してみます。
Acconeer Exploration ToolはWindowsで実行可能なGUIツールです。Githubよりダウンロードし、update.batを実行すると、必要な依存関係をすべてインストールすることができます。
起動するとこのようになります。Windows機上で実行しているので、Raspberry Piとはネットワークを介したソケット通信で接続します。
Raspberry Pi上で動作するプログラムは、先ほどダウンロードしたacconeer_rpi_sparkfun
にあります。/utils/acc_streaming_server_rpi_sparkfun_a111_r2c
を実行すると接続待機状態になります。
GUIツールに戻り、Raspberry PiのIPアドレスを指定すれば接続されます。
試しにenvelopeを選択すると、深度がカラー表示で描写されます。その他にも物体の速度や様々な情報も表示可能です。
A111はレーダーによる測定なので、ケースに入れた状態でも測定が可能です。動画ではケースに入れたまま距離、物体の速度を表示しています。また、機械学習と組み合わせれば、物体の材質を判断したり、ハンドジェスチャーによる認識も行える様です。
やや難しいところがありますが、高性能、高精度なセンサーをRaspberry Piで手軽に使用できるので、興味のある方はぜひ購入を検討ください。
・A111搭載測距モジュールピッチ変換基板