Tokyo Technical Samuraiへ逆取材を敢行しました

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去年の年末あたりに紹介したFIRST Robotics Competition(FRC)という大会、及び出場チームのTokyo Technical Samuraiのことをみなさん覚えていますか。

大会は随分前に終了して複数の賞を獲得した彼らですが、先日、分厚い報告書を携えて当社に結果報告に来てくれました。そこで大会が終了してしばらくが経った今、彼らはどう感じているのか、逆取材を敢行しましたので、下記に紹介します。

と、その前に彼らの結果を書いておきます。

  • ハワイ地区大会決勝トーナメント5位
  • Highest Rookie Seed Award獲得
    • 決勝トーナメントに出場したルーキーチームの中で最も高い成績を残したチームに授与される賞
  • Rookie Inspiration Award獲得
    • 試合前までの期間を含め、チームとしての活動を総合的に評価され授与される賞

本戦に出場するためには決勝トーナメントで勝ち残るか、地元スポンサーが選出するRookie All-Star Awardという賞を獲得しなければならないそうで、残念ながら地区大会敗退ということになってしまいました。しかし、勝ちにこだわる彼らの姿勢があったからこそ、それを補う二つの賞に結びついたのかと思います。

ということで、今回は報告に来てくれた管理・経営・ハードウェア担当の大西くん(以下、大)と、回路・イラスト担当の松本くん(以下、松)に、下記のようなインタビューをしてみました。


Q.大会を通じて得たものはありますか。

松:言語が違うのでだいぶ隔たりを感じていましたが、現地で他のチームにイラストを褒められ、言語ではなくイラストを通じてでも分かり合えるんだな、と実感しました。また、機体を動かすドライバーとして参加したときには、不慣れながら英語でコミュニケーションを取れたことも良かったです。

大:今回ドライバーチームのキャプテンを務めましたが、FRCは日本のロボコンとは違い、自分たちのチームだけでなく、同じアライアンス(チーム)内でも作戦会議をします。なぜならアライアンス内での協力要素があるので、ロボットの機能をちゃんと伝えないと勝てないからです。協調性や、英語で作戦会議をすることでの積極性などが得られたのではないかと思います。

Q.逆に達成できなかったことはありますか(本戦に進めなかったこと以外)。

松:相手アライアンスとの意思の疎通ですね。FRCには協力点という相手アライアンスと一緒に取る点があるのですが、基本的には敵にこちらの全ての機能を伝えたくはない、でもある程度説明しないと協力点が取れない。そこの英語の駆け引きが特に難しいと感じました。

大:どうしても活動拠点が広く取れず、企画をフルに活かしたロボットが作れなかったことは少し残念です。他のチームは規格内ギリギリで作ったロボットが、そこから更に広がったり、とにかく規模が大きかった。

Q.海外の大会が日本の大会と異なる点はありましたか。

松:とにかく発想が大胆でした。単純に力押しだったり、(一つずつ運ぶことが前提の)コンテナをまとめて引っ張ったり。更に機体の一部を切り離して台にしたチームもいました。

大:フレンドシップを重視しているようで、終わった後に参加者全員で打ち上げがあります。日本の大会は終わったところから帰ってしまうのですが。あとは大会前日にもダンスパーティがありました。ピザ食べて、ヒップホップを踊るんです。他には、相手チームと協力しなければならない協力点というのも、フレンドシップを意識していそうです。

Q.ここが正念場!と思ったところはありましたか。

松:ハワイ地区大会予選トーナメントで、突破のボーダーラインを彷徨ってたときの最後の方の試合ですね。一戦一戦が気を抜けなくて。

大:ロボット製作の締切です。本当の締切前に練習時間を確保しなくてはいけないので、早く作らないと、と。更にハワイから日本へ、製作用の部品が来るのに1週間かかるんです。つまりその分、現地チームより時間が少なくなります。税関を通すのもロボットなので、説明が大変でした。

Q.最終的に支援がたくさん集まりましたが、何に期待されていたと思いますか。

松:初めて日本から出場することもそうですが、それにより後に続くチームが出ること、でしょうか。もちろん、FRCに日本チームの存在感を示すこと、というのもあったと思います。

大:エンジニアの卵として社会に出るための経験を積んでもらう、というところもあったのかもしれませんね。

Q.スポンサーを集めるにあたって苦労したことなどありましたか。

大:ノウハウは全くなかったので、色々な企業を回ってアドバイスをもらいつつ進めました。あとは、クラウドファンディングには東京FMで取り上げてもらったことが効果的だったと思います。クラウドファンディングも一気に伸びました。

松:ラジオの圧倒的に広い層にリーチできる力を再確認しました。通勤時間の放送だったので、そこでより多くの人に聞いてもらえたのかもしれません。あと東京FMを聞いてた人が、試合当日に会場に見に来てくれました。たまたま旅行に来ていたそうなのですが、ラジオで知って応援に来てくれたそうです。


また、大会は終了しましたが、彼らはもっとFRCとTokyo Technical Samuraiのことを知ってもらうために動画を公開しています。

2015年のFRCは終了しましたが、2016年のFRCも代替わりをして参加を予定しているそうです。目標は本戦出場だそうで、そのためには決勝トーナメントで優勝しなければなりません(Rookie All-Star Awarはルーキーじゃないので獲得できない)。チームには新しく14人のメンバーが集まり、なおかつ受験が早く終わった今年のメンバーも順次参加するとのこと。

今年の経験も踏まえ、パワーアップした彼らの今後の活躍にご期待ください!