こんにちは。坪井です。
今年もARM TechConという、アメリカのシリコンバレーで開催されるARMのイベントに来ています。
毎年、基調講演も盛況なのですが、今年はソフトバンクがARMを買収し、そのソフトバンクの社長が登壇するということもあってか、会場は大変な混雑でした。
ARMのCEO、Simon Segars氏が孫社長と、ソフトバンクがボーダフォンの日本法人を買収した頃に会った話などをし、孫社長を紹介しました。
ここで登壇した孫社長は、まず、ソフトバンクによるARM買収の記者会見のときと同様に、ARMとパートナーの関係が変わることがないこと、ARMの中立性を維持する考えであることを話しました。
続いて、聴衆に、「地球で歴史上初めて眼を持った生き物が何か知っていますか?」と問いかけました。答えは、三葉虫(Trilobite)だそうです。「この眼、つまりセンサを生物が獲得することで生物の進化が爆発的に起きた。」と眼の獲得による脳の進化と、IoTにおけるセンサによる情報収集によるAIの進化を例えて話しました。生物の爆発的な進化である「カンブリア爆発」が、IoTでも起こる、だからARMを買収した、という話でした。
また、IoTにおけるセキュリティの重要性についても、話していました。
この話は、会場に設けられたサテライトの会場で、絵にまとめられていたそうです。
また、YouTubeに動画がアップロードされていましたので、より詳しく見たい方は、こちらを御覧下さい。字幕ボタンを押すと、英語の字幕が出るので内容を把握しやすいかもしれません。
TechConに参加をしているのは、mbed connectというARM mbedのイベントがあるから、また、ARMの新しいアーキテクチャやプロセッサの発表があるからです。例えば、昨年のTechConでは、「ARMv8-M」というアークテクチャが発表されました。これは、今、多くのmbedに搭載されているCortex-MのARMv7-MやARMv6-Mといったアーキテクチャに、TrustZoneといったセキュリティ機能などを追加して性能向上をさせたものです。
今年はこのARMv8-Mアーキテクチャのプロセッサが発表されました。
ARM releases most comprehensive product suite ever for the Internet of Things #IoT https://t.co/6H6l72iFKe pic.twitter.com/x2i7hLglgV
— ARM Community (@ARMCommunity) 2016年10月25日
Cortex-M33と、Cortex-M23です。Cortex-M33は、ARMv7-MアーキテクチャのCortex-M3やM4、M7に相当するARMv8-M Mainlineのプロセッサ。Cortex-M23は、ARMv6-MアーキテクチャのCortex-M0やM0+に相当するARMv8-M Baselineのプロセッサです。
最後に、今年から公開イベントになった、mbed connectの様子をちょっとだけ紹介します。
mbed connectは、こんなオシャレな会場で、mbed OSのロードマップや、mbed Cloudの発表などが行われるイベントでした。
TechConは、日本ではなかなか会う機会の無い、イギリスやアメリカのARM社員と会って話をしたりする機会でもあります。打ち合わせをするために、会場の隣にあるホテルの喫茶コーナーに行ったところ、弊社のロゴに似たロゴが付いた携帯電話の充電機を見かけました。