myCobotなど、僕の仕事は最近ロボットづいている。人間は物理的な存在だから、コンピュータで物理的なものにアクセスできるロボットはとても大事な項目だ。情報処理はコンピュータで便利になったけど、いつか部屋の掃除や服の手配など、物理的なものも全部コンピュータで制御できるようになってほしい。
昔に比べると個人でもかなりできるようになってきている。メイカームーブメントの一つのきっかけになった3Dプリンタは、「物理材がコンピュータからでてくる!」というロマンだ。
スイッチサイエンスで扱うサーボの種類を増やしたいと思って、Feetechという深センのサーボ会社に行ってきた。龍岡という深センの東側、まだバッテリーやモーターなどの工場が多い地域にある。
冯总(总は日本の漢字だと総で、社長のことをよく名前と総で呼ぶ。僕もフェンゾンと呼ぶ)はもともとラジコンカーのためのサーボを手掛けていたが、最近はメイカー向けの商売が中心だ。なるべく色んな種類のサーボを、なるべく小さく作ることを心がけている。
ミーティングが始まってすぐ、AdafruitやPololu、日本のVstoneなど、世界中のメイカー会社やロボット会社の名前が出てきた。もちろんmyCobotとも仲良しだ。
「メイカーはいろいろなサーボの使い方をして、アイデアをくれるのが楽しいねえ。もともとのサーボについている線の色を変える、ギヤを変えるといったカスタマイズなら500個から、複雑なやカスタマイズだと1000個以上の発注はほしいけど、新しいカスタマイズのアイデアは大歓迎だ。
アメリカの会社だと、やっぱり向こうのショップのブランドに色を合わせてもらうとか、そういうカスタマイズが多いねえ」
「中国の会社ともよく話すよ。大象科技(myCobot)とも、いろんな製品ごとにどういうサーボが一番いいか話す。ああいう人達は楽しいねえ」
などと言いながら、世界中の人が作ったFeetechでの作例を見せてくれる。イタリアのロボットアームメイカーがロボットアームが持った楊枝の点を合わせる制御、中国のメイカーが、本物のバイクをロボットに運転させる事例。。
僕はこういうギークは大好きだ。
「うちの顧客はプロトタイプが多いから、少し値段が高くなっても少数で仕入れられると嬉しいなあ。今はアメリカの会社経由で仕入れていて、そことは今後も仲良しだけど、もし扱う品種が増やせるならと思って今日は来たんだ。」
「OK,数については検討するよ。日本ではメイカーが多くてすごいんだろう?最初はちょっとでも、日本で売ってくれるのは嬉しいよ。あとで製品リストと、おおよその価格を送るよ。
デスクトップで使うメイカーが多いなら、このサーボはおすすめだよ。新作だ。」などなどと話すうちに、すっかり仲良くなった。
冯总はここから遠くない、広東省恵州の出身だ。僕も前にシンガポールにいて、今も南洋華人との関係が深く、ほぼ同じような文化圏に長くいる。
「この鳳凰単叢は発酵浅めでいいねえ。僕も緑茶に近いような、新茶の烏龍茶が好きなんだよね。茶博会だと老茶が多いんだけど。。」などなど、商談後も話しこむうちにご飯までごちそうになってしまった。
会話は全部中国語だったので半分も聞き取れてないけど、NeoPixel(WorldSemi)の伊总に似た雰囲気があって、技術と商売とクリエイティブの全部がわかるメイカーCEOだ。こういう人は大好きだ。話の全フレーズが面白い。
もう少し僕の中国語が上達して、スイッチサイエンスでFeetechのサーボがたくさん売れたら、ぜひインタビューをしてみたい。
コロナが収まったら、ニコ技深セン観察会ロボット編を組織して、日本のロボット好きと一緒にFeetechに訪問して、冯总にみんなで作品を見せたいなあ。
どちらも24Vを必要とするパワー大きめのやつ、右が120kgで左が85kg。でも、ラズパイボードぐらいの大きさだ。85kgのやつはもっと小さい。これならスイッチサイエンスで扱っていてもおかしくない。
実際に細かいところまで決まって、スイッチサイエンスショップのサーボが増えるまではちょっと時間がかかるけど、すごく良いおつきあいができそうです。会社にあまり英語できる人がいないせいか、日本に入ってきてない製品が多いから、ロボットが強いショップに弊社から卸したりもできるんじゃないかなあ。
ロボット好きの皆さん、お楽しみに!