mbed OSとmbed Device Serverが発表されました

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既に報道も出ていますし、mbed.orgのページが更新されていますが、mbed OSとDevice Serverが発表されました。ここでは、mbed OSやDevice Serverがなにかを少しだけ説明したいと思います。
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従来からmbedではArduinoのように、ハードウェアのレジスタといった細部を意識すること無く開発のできるSDKが提供されていました。同様に、RTOSという、組み込み向けにThreadやSemaphore、Message Queueといった機能を提供する小さなOSも提供されていました。mbed OSでは、ここからさらに、IoT(Internet of Things, モノのインターネット)向けに、TLSなどの暗号、電力管理といったネットワーク接続するモノを作ることをより意識した機能をが追加されていくようです。既に、イーサネットやWi-Fi、Bluetooth Smartなどでネットワークに接続するmbedは存在していますが、図にもあるように6LoWPANなどにも対応していくようです。6LoWPANは、"IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networks"の略で、ZigBeeと同じIEEE 802.15.4という規格の物理層(無線)でIPv6を使った通信を行う規格です。新たにmbedのパートナーとなった、Atmelのチップを採用した、mbed 6LoWPAN Gatewayとmbed 6LoWPAN ShieldがTechCon会場のmbedブースで展示されていました。
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mbed OSの図の6LowPANのロゴの右側に、Tのようなロゴが見えます。これはThreadというIoT向けの無線ネットワークプロトコルのロゴで、ARMも参加しているThread Groupという団体が普及させようとしているものです。

OSと聞くと大きなフラッシュやメモリが必要になるのではないかと思いますが、mbed OSはモジュラー構造で、必要のないモジュールを外すことでサイズを小さくすることが可能だそうです。とはいえ、mbed LPC1114FN28などではRTOSを載せるとアプリケーションがほとんど書けなくなってしまいますので、どのMCUにでもmbed OSは搭載可能だというわけにはいかないでしょう。

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同時に発表されたmbed Device Serverは、mbed OSが送るデータを受け取るクラウド側の入り口に相当するようです。mbedなどのIoTデバイスには、常にネットワークに接続されているとは限らない、省電力のために常時接続はしたくない、といった特徴があります。こういったデータのキューイング、暗号化通信などを実現するのがDevice Serverの模様です。mbed Device Server自体は中継を担当し、データの出口となるサービスはクラウドパートナーから提供される様です。

今我々が使用しているmbedプラットフォームは、v2.0なのですが、mbed OSやDevice Serverは、プラットフォーム v3という位置づけです。mbed OSを含むプラットフォームは2015年の10月くらいに公開される予定とのことでした。