ARM TechCon 2014に行ってみました。

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アメリカのカリフォルニア州サンタクララで毎年開催されている、ARMの技術イベント、ARM TechConを見てきました。
このTechConのキーノートで、「mbed OSとmbed Device Serverが発表されました」で紹介した、mbed関連の大きな変化が発表されました。個人的には、mbed OSやDevice Serverよりも、mbedがTechConのキーノートで発表されたことのほうが衝撃です。そのくらい、ARMにとってmbedは大きな存在になった様です。

そんなTechConの会場には、講演やセミナーだけでなく、展示会場が設けられていました。この展示会場でも、ARMのブースとは別にmbedのブースが設けられていて、やはりARMにとってのmbedの存在が大きくなっているのだなと実感させられました。
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このARM mbed Zoneでは、様々なmbedや、mbedのパートナーによる展示が行われていました。
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パートナーによる展示は時間帯で交代だったのですが、中でもフリースケールが展示していた、mbedで操縦できるNERFというオモチャのランチャーが面白かったです。コントローラーのFRDM-K64Fに搭載されている加速度センサの値とスイッチ操作をWi-FiでNERF砲台のほうのFRDM-K64Fに送り、砲台のほうのFRDM-K64Fがサーボモーターを動かすという仕組みのようです。
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TechConの展示会場には、STマイクロエレクトロニクス、フリースケール、ルネサスなどの半導体ベンダや開発ツールベンダなどが多数出展していました。ルネサスのブースを訪れてみると、Coretex-AマイコンのRZ/A1Hを搭載し、mbedで開発できるようになるというGR-PEACHを搭載したRapiroが展示されていました。タブレットで操作できるようになっています。さきほどのmbedゾーンで弊社のmbedが一つも展示されていなかった悲しみをルネサスさんが癒やしてくださって嬉しかったです。
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STマイクロエレクトロニクスさんのブースでは、このTechConの直前に発表されたCortex-M7コアを搭載した、STM32 F7のデモンストレーションが行われていました。会場の明るさの割に液晶のバックライトが煌々と点いていたので、写真を綺麗に撮ることができませんでしたが、左手が従来のCortex-M4Fを搭載したボード、右手がCortex-M7を搭載したボードです。デモではレイトレーシングやマンデルブロ集合の描画などが行われていて、Cortex-M7の高いパフォーマンスが明らかに見てとれるものでした。
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会場には、今回初のお披露目というフリースケールさんの巨大トレーラーが登場していました。トレーラーということなので、会場の外に停まっているのかと思いきや、会場の中に停まっていました。アメリカという国は、やることのスケールが違いますね。
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このトレーラーの中はショールームになっているだけでなく、ビールサーバがあったり、2階建てになっていて2階部分がちょっとした会議スペースになっていたりしました。
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ARMブースには、日本からの出展で、KDDIさんがFirefox OS開発ボードの「Open Web Board」とアプリ開発ツールの「Gluin」の展示を行っていました。
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Open Web Boardは、Cortex-A9 DualのRK3066を搭載し、1GB RAM、8GB Flash、Bluetooth 2.1と4.0をサポート、Firefox OSが動く開発ボードです。HDMIコネクタが搭載されていて、スティック型のAndroid機のように、モニタやテレビに刺してつかうことができます。Gluinは、ブラウザで容易に電子機器同士の連携をさせる開発が可能なツールとのことでした。

駆け足になってしまいましたが、以上、TechConの報告でした。