深圳に行ってきました その(3)

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深圳に行ってきました その(1)
深圳に行ってきました その(2)
深圳に行ってきました その(4)
深圳に行ってきました その(5)

深圳見学会ではまず最初にSeeedstudioさんに行き、社内の工場等を見学させていただきました。(深圳に行ってきました その(2))社内の設備を見せて下さっただけではなくSeeedStudioさんが行っているサービスや方針のプレゼンテーションまでしていただきましたので、今回はその点をご紹介します。

SeeedStudioさんのサービスの一つにFusionというものがあります。日本国内で個人で基板を作る方にとっては有名なサービスなのでご存知の方も多いかと思います。Fusionの中にFusionPCBというサービスがありますが、これは5cm x 5cm以内の小さい電子基板ならたったの$9.9で作れちゃう素敵なサービスです。しかも10枚も作れちゃいます。ユニバーサル基板を使って自分で配線をがんばって作るよりも安く作れるなんて驚きですね。さらにFusionPCBAというサービスもあります。PCBと言うのはPrinted Circuit Boardの略でプリント基板のことです。では、PCBAのAは何かと言うとAssembly(組み立て)の頭文字です。つまり基板を作るだけでなく電子部品のはんだづけまでやってもらえちゃうサービスです。これならはんだづけが苦手って人でも電子基板が作れますね。しかし、ここで疑問に思うのがはんだづけする部品の調達方法です。この問題を解決するためにOPL(Open Parts Library)というものを提供しています。このOPLにはよく使われるたくさんの部品が登録されているので、OPLの部品を使うことで部品の実装までを全てお任せできてしまいます。

この他にも、3Dプリンタやレーザーカッター、CNCが使えるサービスもあり、電子回路のみならずそれを入れるための筐体や機構などをトータルで作れます。
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この図がSeeedStudioさんの目指しているもので、

  • アイディアはあるけどまだスキルが無い(Dreamer)
  • 商品レベルではないけどものづくりができる(Maker)
  • 1個なら商品レベルのものが作れる。(Veteran Maker):大学など
  • ある程度の数を作る。(Hardware Startup):クラウドファンディング
  • 大量に商品を作る。(Hardware Corporations):企業

これらの幅広い層のニーズに答える体制を整えています。深圳には様々な得意技を持つ工場が10,000以上ありSeeedStudioさんはそれらの工場の持つノウハウを集約しているので、様々なニーズに答えることができます。例えば、基板の設計ができ3Dプリンタで筐体をつくれるレベルであってもその先の量産レベルになってくるとキャストモールド用の金型を作らなくてはいけなくなり、プラスチックを流しやすい形状にするための3Dモデルの変更など専門知識が必要になります。そんな場合にもSeeedStudioさんからアドバイスを受けることができます。

自分のアイディアを形にするところから量産するところまで実現できるなんてすばらしいですね。
Fusionと聞くと基板作りのイメージが強いと思いますが、電子からハードウェアの加工まで幅広いサービスがありますので、商品化のアイディアを眠らせている方ぜひ利用して夢を形にしてみてはいかがでしょうか?
深圳に行ってきました その(1)
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深圳観察会の他の参加者の感想はここにまとまっています。
第2回 ニコ技深圳観察会 2014年12月 感想まとめ