Arduinoのイーサネットシールドなどにチップが採用されているWIZnetさんが、組込みシステム開発技術展(ESEC)に出展するということで会いに行ってきました。WIZnetさんの製品は、当社としては珍しく、チップ単体で販売をしています。今回WIZnetさんは、W7500というARM Cortex-M0マイコンにハードワイヤTCP/IPを搭載したマイコンと、その評価ボードを中心に展示をしていらっしゃいました。
ハードワイヤードTCP/IPというのは、パソコンなどではソフトウェアで書かれているインターネットプロトコルの処理部分を、ハードウェアとして搭載していることを指します。つまり、マイコンの命令を実行する部分とは別に、ネットワーク接続だけを担当する専用のチップが存在しているという状態です。イーサネットでデータを大量に送りつけられると、従来のマイコンは忙しくなってしまいます。一方で、W7500はハードウェアでネットワークの処理を行っていますので、ソフトウェアを処理しているコア(マイコンのソフトウェアを処理する部分)はあまり忙しくなりません。W7500は、Cortex-M0というARMマイコンとしてはメモリの少ないチップでありながら、ネットワーク処理部分が独立して存在しているために、より高いネットワーク性能と安定性が得られるという点が特徴のチップです。
このW7500の評価ボードであるWIZwiki-W7500は、近々mbedでも開発できるようになる予定です。もちろん、スイッチサイエンスでも取扱をはじめる予定ですのでお楽しみに!
今回、会場にはWIZnetの社長さんもみえていました。写真右から、WIZnetの社長のリーさん、筆者、日本に留学経験のあるキムさん(彼はシリコンの設計をしているそうです)、キムさんの上司のキムさんです。社長のリーさんとは、embedded worldでも話しましたので数ヶ月ぶりの面会でした。
ESECの会場でも、いくつか当社の製品をみかけることができました。例えばRapiroです。ブライセンさんのブースでRapiroを使ったデモを展示して下さっていました。
他にも、東芝さんのFlashAirのデモンストレーションに、当社のI2C controlled 8×2LCD Breakout for Raspberry Piを使用していただいていました。FlashAirといえば、Airioという評価ボードを、当社でも委託で扱っています。
PSoCというマイコンで有名なCypressがSpansionを買収した、というのは昨年末の大きなニュースでした。ここESECでは、ついにSpansionさんのマイコンだったFM4が、ついにCypress FM4として紹介されていました。個人的には、このパネルが一番の驚きでした。