ZED-F9P搭載GPS-RTKピッチ変換基板の紹介

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こんにちは。すみやです。
今回はスイッチサイエンスから発売されるZED-F9P搭載GPS-RTKピッチ変換基板を紹介します。ZED-F9Pは数百万円する測量用受信機並みの高精度な測位情報を得られるGPSモジュールです。今回は単独測位とRTK測位をためしてみます。

はじめにモジュール基板にはアンテナが搭載されていないため、別途アンテナが必要です。アンテナは2周波受信に対応していないと、本来の性能を発揮できません。今回はANN-MB-00 2周波対応GPSアンテナを使用し、SMAからU.FLに変換するケーブルを用いて接続しました。

次にu-centerをパソコンにインストールします。これはZED-F9Pの製造元u-blox社より提供されているソフトウェアです。各設定や情報の表示、記録等を行えます。2021年2月現在Windowsのみ対応しています。

本基板にはUSB-Cコネクタを搭載しています。パソコンに接続すると仮想COMポートとして認識され、接続すると様々なデータを表示することができます。

u-centerでは非常に細かい設定まですることが可能です。具体的な設定はトランジスタ技術2019年10月号のF9P測位レシーバ入門ムービーを参考にさせていただきました。

設定が済んだので簡易的に車のダッシュボードにアンテナを設置し測位してみました。
測位精度の比較として2000円程度で販売されている一般的なGPSモジュールと同時に測位してみます。

走行後、u-centerよりCSVファイルを生成し、GoogleEarthProにて表示しています。
◎印がF9P ▲が一般的なGPSモジュールによる測位記録です。

どちらのログもほぼ同一地点を指していますが、信号待ちで停車した箇所では一般的なGPSモジュールの測位点は乱れていますが、F9Pの測位点は一直線に収まっています。

続いて山道を走行してきた測位記録です。

山地では結果にかなりの差がでました。(徳島県県道259号線)
一般的なGPSモジュールはかなり道路上から逸脱していますが、ZED-F9Pは正確に道路上を指しています。また、電波が届きにくい谷部や上空を木に覆われた道路でも、正確な位置を指しています。アンテナ自体の性能、設置箇所など厳密な比較できませんが、無調整で高精度な測位を行うことができました。


単独測位でも高精度なZED-F9Pですが、より高精度な測位できるRTK測位を試してみます。RTK測位とは基準局という定まった位置に設置された受信機からGPS(GNSS)信号の補正情報を受けることで、より高精度な測定を行う方法です。

RTK測位には基準局が必須です。基準局を自分で用意することもできますが、有志のボランティアが提供している基準局を使用することも可能です。善意の基準局掲示板に各地の基準局が紹介されています。今回は測位箇所から20 kmほどの距離にある基準局を使用させていただきました。

u-centerでRTK測位を試します。スマートフォンのテザリング接続でインターネットに接続し、基準局のドメイン、ポート番号などの情報を入力すると接続されます。RTK測位ではアンテナの性能を十分に発揮する必要があるので、今回は車のルーフ上にアンテナを設置して走行してみました。

計測開始直後のu-centerの表示です。画像中央のFix Modeが現在の測位モードです。
3D/DGNSS/FLOATは単独測位を出力していることになります。

測位してから15分程度経過すると、3D/DGNSS/FIXEDとなり、RTK測位することができました。

一般的な地理座標では小数点以下6桁で表示するため、RTK測位の結果を可視化しづらいですが、GPSモジュールが不得意とされている高度を見ると、紫枠のFIXEDの結果が得られた箇所では高度のばらつきがないのがわかります。赤枠の箇所は工事の関係で少し盛り上がった橋梁の上を通過したときの物です。RTK測位により正確な位置情報を取得することができました。

今回はu-centerを使いZED-F9P搭載GPS-RTKピッチ変換基板を紹介しましたが、本基板はSparkFun社によるArduinoライブラリQwiicコネクタにも対応しています。自動運転ロボットや様々な実験に応用できると思います。

ZED-F9P搭載GPS-RTKピッチ変換基板はスイッチサイエンスで発売中です。