みなさんこんにちは佐々木です。
Raspberry Pi 400と手ごろな液晶があればラップトップコンピュータを自作したいと思うのは仕方がないと思いませんか?私はそう思います。そう仕方がないのです。。
まずは液晶をつないでみる
11.9インチタッチスクリーン液晶をRaspberry Pi 400で使うにはRaspberry Pi OSを書き込んだSDカードの/boot/config.txt
に以下を追記します。
max_framebuffer_height=1480
hdmi_group=2
hdmi_mode=87
hdmi_timings=320 0 80 16 32 1480 0 16 4 12 0 0 0 60 0 42000000 3
新しいOS(レガシーじゃないほう)だと以下の変更を加えないとGUIが表示されませんでした。
#dtoverlay=vc4-kms-v3d ##コメントアウトして下記の行を追加
dtoverlay=vc4-fkms-v3d
画面の向きを変える
起動直後は縦画面になっているので画面の向きを変えます。左上のメニューから設定→Screen Configuration
を起動し向きを選びます。液晶基板のHDMIコネクタを上側にする場合left
を選びます。緑のチェックマークをタップすると設定を反映するため自動的に再起動します。
画面の向きとタッチパネルの向きは連動していないので液晶基板のRotate Touch
ボタンを操作して向きを変えます。Rotate Touch
ボタンを1秒ほど長押しすると緑LEDが点滅しタッチパネルの向きが90度回転します。画面の向きとタッチパネルの向きが合うまでこの操作を繰り返します。
コンソール画面の向きも変えたい
Screen Configuration
の設定はGUIのみ反映されるのでコンソール画面の向きはそのままになります。コンソール画面の向きを変えたい場合は以下のコマンドを実行するか、
$ echo 3 | sudo tee /sys/class/graphics/fbcon/rotate
/boot/cmdline.txt
の行末に以下を追記してください。
fbcon=rotate:3
とりあえず合体
1mmのアルミ板をハンドニブラーで切り出し、折り曲げて両面テープで固定してみました。前からみるとまぁまぁ良さそうなので方向性はまちがっていないはず。
HDMIケーブルはマルチコプター用のHDMI⇔FPC変換基板を採用しました(Amazon.co.jpで購入)。USBケーブルとHDMIケーブルの取り回しがかなり難しいです。
meviyで板金に挑戦
折角なのでミスミの板金・切削加工サービス「meviy」使ってRaspberry Pi 400と液晶を固定するフレームを作ることにしました。Autodesk Fusion 360のシートメタル機能を利用しフレームの3Dモデルを作成しました。
3Dモデルを2D展開しコンビニでプリントアウト、プリントした紙を厚紙に張り付けてカッターで切り出し、曲げ線にそって折り曲げれば試作品の完成。結構いいんじゃないでしょうか?HDMIケーブルの取り回し方法はもう少し検討したいところですが一旦これで行きます。
見積もりと発注
meviyは3Dデータを入れると自動で見積もってくれるので、fusion 360で作った3DモデルをSTEPファイル形式でエクスポートし、meviyのページにアップロードします。
1分程度で製作可否の判定が行われ、問題なければ材質と表面処理(必要なら交差や穴処理)を選んで見積もりボタンを押すと価格が決定されます。材質をSPCC(鉄)、表面処理を塗装(白)とした場合の価格は2,860円(税別)でした。1点モノの費用としてはかなり安いのではないでしょうか?
長穴の数や折り曲げの角度などでも見積もり価格が変わってくるようなので、できるだけ安く済ませたい場合は3Dモデルを変更し何度も見積もりし直すとよいでしょう。見積もり価格に納得したらカートに追加して注文します。追加の部品が必要な場合、注文画面で商品番号を入れるとまとめて注文できます。納期は6日(塗装なしだと3日)ゴールデンウィークをはさんだので発送は5月10日になりました。
組み立て
ゴールデンウィークが明けて5月11日に注文していたフレームが届きました。
Raspberry Pi 400とフレームはM2タッピングビスで固定しました。ネジ穴の位置に合わせてRaspberry Pi 400に1.5mmドリルで下穴をあけました。
裏から見るとこんな感じ。HDMIは長さ10cmのFPCケーブルをフレームの内側を通して接続しています。液晶が重すぎてキーボードの前面が少し浮いた状態になってしまったので、すべりどめシートをフレームのL字部分に張り付けて、Raspberry Pi 400の足が接地しないようにすることで浮を解消しました。
完成です。想像通りの出来栄えにぼくは満足です。
以上です。