3Dプリンタを便利にする拡張ボード、FIBERPUNK社に行ってきた!

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2014年頃から深圳にいる台湾人のMarkは、お互い10年近くになる旧友です。彼はハードウェアアクセラレータHAXの初期の卒業生で、PEOPOLY社でMoaiブランドの3Dプリンターを作っています。
深圳の西北部龍岡区で、恵州とのほとんど境目にオフィスを構えて20人ほどの社員を雇い、ビジネスを拡大中のMark。
「3Dプリンタだけでなくて、別ブランドでマイコンボードを作ったんだ、遊びに来てくれよ!」という連絡をもらって、いま深圳でサバティカル中の金沢大学秋田先生と一緒に訪問してきました。

オフィスのある龍岡のビル。深圳中心部ではこういう工業区画をあんまり見なくなりました。

3Dプリンタを拡張するFIBERPUNK

Markが新しく立ち上げたブランドはFIBERPUNK。Ender社など、普及価格帯の3Dプリンタに外付けして、プリンティングを便利にする拡張キットを開発しています。

左から二番目のグレーシャツがMark。他の2人もFIBERPUNKメンバーで、みんなMakeBlock出身とのこと。

よく使われているCRALITYのEnderシリーズ、Prusaの3Dプリンタなどに対応してる拡張ボードで、3DプリンタのSDメモリスロットとUSBスロットの両方にアクセスし、ネットワーク機能のない3Dプリンタにネットワーク機能を付加し、オンラインでデータを送ったり、リスタートさせたり、フィラメントの残りを報告することを可能にします。

新しい拡張ボードも続々開発中

「3Dプリンティングは今も面白い分野なんだけど、消費者向けの市場は安売り競争になってて、イノベーションで勝負できる感じじゃなくなりつつある。なので、FIBERPUNKを始めることにしたんだ」というMarkは、もとMakeblock組の若いエンジニアたちと一緒に、バリバリ研究開発をしています。(Makeblockは今も活躍している会社ですが、500人以上いる大企業なので辞めてスタートアップした社員も多く、深圳では「スタートアップの学校」と呼ぶ人もいるとか。M5StackのAllenやMakerNetのKevinが元Seeedだったり、色々なところでDJIの卒業生を見かけたり、深圳ローカルでハードウェアスタートアップのシーンみたいなものがあります)

開発中のAIカメラプロダクトが面白くて、3Dプリンタのプリント不良(もじゃもじゃ)を画像認識して、アラートを出すもの。

面白いプロダクトで、僕のツイートではESP32と言ってますが、確認したらESP32SUとAiThinkerのモジュール(USBつきESP32だけど、モジュールで技適取ってるわけではない)で、そのままでは日本で売れないものでした。(なお、ライター持ってきてカメラの前で火を見せたのだけど、火の認識は失敗w)

現状では日本で使うのが難しいが、日本版の展開もあるかも?

こうしたwifi/bt機器の場合、日本向けのTELEC認証(いわゆる技適)を取ると4-5000USD位かかるのが一般的です。金額が安いこうした拡張ボードの価格に載せるのは大きい金額なのと、アンテナなど無線関係の特性を変えづらくなることで、難しい選択です。
ESP32-WROOMやM5Stack/STAMPシリーズなど、アンテナ含めたモジュールでTELECを使うと、設計については気にしなくて良くなります。(表示ほかで別にルールはある)
その場でM5StackのJimmyを紹介して、他のESP32モジュールかM5Stackシリーズを使えないか一度話してもらうことにしました。

スイッチサイエンスのお客さんでもPrusaやEnderシリーズほか3Dを使っているユーザは多いので、FIBERPUNK社製品の日本版が開発できたら、ぜひ販売したいと考えています。