デジタルからフィジカルの世界へ
中国はいまロボット・自動運転などの開発大ムーブメントが起きているので、全分野で新しい製品が出ています。最近紹介したHiWonder(もう日本に着荷していて、発売開始秒読み!)、Feetech(中国に発注は済んでいて、まだ中国から出荷前)、Fashion Star Tech(まだ両社で調整中)などのサーボ製品、myCobot(こちらも発注済み。まだ中国から出荷前)などのロボットアームなど、最近コンピュータ→フィジカルな世界の製品の取り扱いが増えています。
フィジカルからデジタルの世界へ
もちろん、フィジカルからデジタルの世界へ、センサー、ビジョンカメラなども様々な深圳企業が活躍しています。今日はその中で、比較的安くて高性能なLiDAR製品を作っている3iRobotix/杉川机器人に行ってきました!
メイカーのためのLiDAR製品
(僕のかなり適当な中国語ヒアリングなので内容には間違いが多く含まれます)
Zheng:今スイッチサイエンスではどういうLiDAR製品を取り扱ってるの? …北京SLAMTechのRPLiDARとかか。どういうところで3iRobotixにコンタクトしてくれたの?
tks:メイカー向けのLiDARを探している。メイカー向けには、こういう条件の製品がほしい。
1.いちばん大事なのが、データシートやソフトウェアが公開されていて、なるべくオープンなハードウェアであること。工業用では契約後でないと情報が手に入らないものもあるけど、そういうのは困る。3iRobotixの製品はSDKなどがしっかりしていそうで、英語のデータシートもあるので助かる。
2.2つ目が、選択肢が多くて少数から扱わせてくれて、安価なこと。気軽に試せる、壊しても買えることは大事だ。Taobaoで見る限り、3iRobotix
3.最後は、もちろんモノとしてしっかりしていて、気軽に使い始められてほしい。でも、工業用でないから、「しっかりして使いやすい」の意味は違う。3iRobotixのいくつかのLiDARはUSBで挿すだけで使い始められそうで、それがすばらしい。工業用クオリティの性能があることも素晴らしいし、それよりもオープンなハードウェアな方が、僕は好きだ。
Zheng:その条件は理解できるし、そういう観点で注目してくれたのは嬉しい。3iRobotixはロボット掃除機やサービスロボットなどのロボット技術全般を手掛けているし、工業用にLiDARほかセンサー類を出荷しているが、同時に開発者フレンドリーな会社でありたい。
3iRobotixは東京大学や香港大学の卒業生が作ったエンジニアの会社だ。今も500人の社員のうち300人以上はエンジニア。もともと、日本のHOKUYO(北陽電気)などの測域センサを使って開発をしていたが、中国で買うと高いし、情報も不十分だ。だから自分たちでLiDARを開発するようにした。
工業用とロボコン用のどちらも視野に入れている
Zheng:DJIのROBOMASTERは知っているだろう?それ以外にも、中国では今様々なロボコンが行われていて、一大マーケットになっている。そこに向けた製品ラインは、日本のメイカーたちも喜んでくれるだろう。USBで挿せばすぐ使える製品があるのはそのためだ。どの製品もROSをサポートしている。
日本のメイカーフェアに行けると良いなあ
Zheng:LiDARや自動運転など、ここ数年で急速に発展した分野は中国の研究が進んでいて、ドキュメントも最初に中国語が出来上がることが多い。でも、日本は日本でロボットや工業用自動化の長い歴史があるし、高い水準のロボット技術があるよね。役員の一人は東大の出身で、今でもコロナなければよく日本に行って交流していたんだよ。
日本で製品を売ってくれるのはありがたいし、このcollaborationには大きな可能性があるよね。
tks:中国の急成長するスタートアップを見ていると、エンジニアが会社の中心にいて、割合も大きいのが素晴らしい。日本には数万人の大企業がいくつもあるし、R&D部門の人は1割もいない会社が多い。エンジニアのレベルは常に高いけど、「製品開発」や「会社としての意思決定」での役割は限定的だ。僕らはSeeed, M5Stack,DFRobotなどと仲良しなんだけど、そうした中国のスタートアップから学ぶことは多いと思っている。
日本で発売を開始したら、一回東大卒のメンバーに会って動画を取りたいなあ。
Zheng:役員からも、日本のエンジニアレベルの高さは聞く。ぜひコロナが落ち着いたら東京のメイカーフェアに行きたいし、発売後に製品がどう使われてるかをぜひ見たいねえ。
日本上陸をお待ち下さい
3iRobotixは、現在社員500名ほど。ここ本社に2-300、深圳宝安北部の福永に製造部隊がいてそこも2-300ほど。どちらも半分以上はエンジニアとのこと。
ここ2年は毎年200%成長とのことで、飛ぶ鳥を落とす勢いの会社です。
ODMなども取り組んでいきたいとのことで、様々なcollaborationが実現すると嬉しいですが、まずは日本のメイカーが使えるツールが増えることを願っています。