加速度センサを選んでみた

投稿者:

加速度センサ、なかなか魅惑的な言葉ですね。
2012年07月現在、スイッチサイエンスでは13種類の加速度センサを販売しています。選択肢がたくさんあるのはよいのですが、どれを選んだらいいかわからない、という人も多いことでしょう。そこで今回は目的別に加速度センサを選んでみたいと思います。

  • とにかく安いのがいい
    何しろ安いのがいい、という人にはこちら。
    MMA8452Q搭載三軸加速度センサモジュール

    MMA8452Q搭載三軸加速度センサモジュール
    です。1,000円切って995円。
    サイズも0.6インチ四方(15mmちょっと)とコンパクトです。ホスト(Arduinoとか)との接続はI2Cというシリアル通信を使いますが、Arduinoならライブラリがすでにあるので難しくはないと思います。1.95V以上の電圧に対応しているのもうれしいところですね。
  • 小さいのがいい
    とにかく小さくまとめたい、という時には
    ADXL193搭載加速度センサ(±250g)


    をおすすめします。なんと0.55x0.4インチ四方。ミリでいうと14x10mmくらいです。5Vの電源が使えるのもうれしいところですね。
    ただ注意しなければいけないことがいくつかあります。まず、これは1軸の加速度センサだということです。この世は3次元空間なので、3軸の加速度センサがほとんどですが、この製品は1軸ですので注意してください。その代わり±250gという、かなり大きな加速度の変化にも対応できます。
    もう一つ、出力はアナログなので受信する側でアナログ-デジタル変換をする必要があります。Arduinoで言えばA0~A5端子のどれかにつないで、AnalogReadする必要があるということです。これらに納得できるならよい製品でしょう。
    もう一つの小さいセンサの選択肢としては、
    LilyPad加速度センサ(ADXL335搭載)

    を選択するのもいいかもしれません。こちらもアナログ出力なのは変わりませんが、3軸のセンサが1つのチップに入っているので、同時に3方向の加速度を取得することができます。形がまん丸で問題ないなら、こちらがよいでしょう。
  • SPIでつなぎたい
    マイコン界ではI2Cと並んでメジャーな通信方式であるSPIでセンサをつなぎたいということなら、以下の3つのどれかになります。
    BMA180搭載三軸加速度センサモジュール


    LIS331HH搭載三軸加速度センサモジュール


    ADXL345搭載三軸加速度センサモジュール
    このうちどれを選ぶかというのは難しいところですが、ここでは低電圧でも動き、サイズも小さいBMA180搭載モジュールをおすすめしておきます。もちろん他の二つにもBMA180搭載モジュールにはない特長(低消費電力、高加速度まで対応、高分解能など)の特長がありますから、そのへん自分の用途に合ったものを選ぶとよいでしょう。
  • ちょっと昔のパソコンに直接繋ぎたい
    古くて使われなくなったノートパソコンをログ取り専用機として使いたい、というニーズもあることでしょう。そんなときちょうどいいのが
    MMA7361搭載三軸加速度センサモジュール(シリアル出力)


    です。見ればわかりますが、RS-232Cのケーブルがそのままささります。これがあれば、USBもないような昔のパソコンでもばっちり。(そのデータをどうやって持ち出すかはまた別途考えるとよいでしょう)
    電源はRS-232Cの線からどうにかして作っているので、別途電源ケーブルを要する必要がないのもポイントが高いですね。
  • 5V(またはそれ以上で使いたい)
    近頃減ってきましたが、まだまだ電源電圧5Vの回路はめずらしくないですよね。そんなところではこれを。
    LSM303DLH搭載傾き補償付きデジタルコンパス・加速度センサモジュール


    基板上に3.3Vと1.8Vの電圧変換ICを搭載しているので、5Vを入力しても大丈夫です。(というか、3.3Vだと動かない可能性があります)
    デジタルコンパスも付いてますし、用途によっては一つで済んでいいかもしれませんね。
  • もーめんどくさいからパソコンとかなしでログを残してほしい
    加速度のログを取るのが目的であって、電子工作はどうでもいいです、という人もいることでしょう。そんなあなたには
    ADXL345評価ボード


    をおすすめします。3軸の加速度センサにAVRマイコンとmicroSDカードスロットが付いていて、microSDに加速度の値を保存してくれます。さらにAVRマイコンにはArduinoのブートローダが書き込まれていて、シリアル通信のスケッチが内蔵されていますから、miniUSBコネクタを介してターミナルソフトから読み出すことや、加速度センサICであるADXL345の設定を変えることもできます。電源は単三の乾電池2本なので、入手も楽ちんですね。
  • 最後に
    加速度センサだけなく角速度(ジャイロ)センサや地磁気センサもまとめてほしいといった用途もあることでしょう。そんな方のためIMU(Inertial Measurement Unit、慣性計測装置)というものも用意されています。ぜひ見てみてください。