会場となった日本科学未来館。
さて、後編は協賛企業やプレゼンテーションからスタート。前半については「MakerCon Tokyo 2015 前半」をご覧ください。
私はメイカームーブメント×地場産業振興センターって考えただけでワクワクしました。
燕三条っていう町はない(燕市と三条市)という"つかみ"
地場産業振興センターは地域の産業とのマッチングをしてるよ!という内容。「そりゃそうでしょ」とも思うかもしれません。ただ、メイカームーブメントにおいて小ロット生産はひとつの障壁です。今回の話は小ロット生産の相談も受けてますよという内容でした。
続いて、"ファブリック=布"についてのプレゼンテーション
なにこれ楽しそう。
布のパターンで収入が得られる時代に。
古い着物などの伝統的なパターンをアーカイブするというのは大切な事と思いました。
「やりたいことを言い続ける」これとても大事だと思います。
中小企業こそオープンイノベーションが大切になる時 #MakerConTokyo 2015 | 東京ノマド営業所
続いてTechShop Japan 有坂さんより 米国TechShopのご紹介と東京店舗のオープンについて
アークヒルズと言われてわからなかったのですが、六本木一丁目駅近くの都心ど真ん中。
天井が8mと高く「ドローンも飛ばせそうですね」と盛り上がりました。
マクニカ 大野さん による Mpression for MAKERS についてのプレゼンテーション。
モジュール単位で認証取得をしているから量産にも対応可能。これは本当に重要ですね。
安定供給可能な部品を主軸に、プロトタイピングキットを展開。
100個までの小ロット生産ですとさほど気にせず進めらることができるのですが、100個超のあたりから入手性・継続性っていう問題がでてきます。さらにその先には当社も抱えている悩み"在庫リスク"という問題がでてきます。
□セッションB「オープンソースハードウェアの可能性と課題—知的財産権と製造物責任から考える」
一番左の小林茂さんがモデレータ。左から順番に
- 水野 祐(Tasuku Mizuno) 弁護士、Creative Commons Japan理事
- 山浦 博志(Hiroshi Yamaura)exiii株式会社 CTO
- 白鳥 啓(Kei Shiratori)株式会社 間チルダ 代表取締役
という並び。
法律の話ということで、弁護士の水野さん。マイク持ってる方です。弁護士さんです。
ハードウェアは知的財産のかたまり?
以下のリンクから上の文献を参照できます。どちらもとても見やすくまとまっています。メイカーのみなさまはご一読ください。
exiii HACKberry の事例
限られた人たちにつくるプロダクト。3Dプリンタで製造することでコストダウンが可能。
ボトルを握るデモ。
設計データの公開から半年で派生プロジェクトが幾つか登場
右手のデータしかない状況で左手の、しかも子供用。専用の基板が必要となるが、それもオープンな世界で解決。
製品として販売する場合にの責任は保険への加入する。データの公開は免責を記載することでクリア。
HACKberryについては、改良加えて、製品化が進む。そういったライセンス体系。
雰囲気メガネ: FUN'IKI Ambient Glasses の事例
製造物責任。専門的な人に確認してもらうのと、自分自身の目でも確認する。
いずれも明確にして対応することでクリアできる。悩むほどのことはない。
HACKberryの場合にGitHubなどでの公開をしているが、ハードウェアの開発においては各々が使うツールによってデータの使い回しが簡単にはいかないなどの事情がある。
□セッションC「半導体メーカーとメイカーの新しい生態系」
岡田 裕二(Yuji Okada)株式会社マクニカ イノベーション 推進統括部 統括部長代理
山崎 光男(Mitsuo Yamazaki)Nordic Semiconductor ASA カントリー・マネージャー
日本の半導体市場のシェアの低下
Konashiによる事例などはプレゼンテーション同様。デバイス選定のプロフェッショナル。点線である量産化の部分は将来的に考えていること。
ただし、量産化においてはボリュームやコストの回収など考えることが大きくなってくるので大変。
以上です。
後編については、製造物責任や知的財産など法律が絡む話と、1千個や1万個といった数を量産するコストの話が出ました。いずれについても、DIYの世界から一歩踏み出していざ自らのプロダクトを世の中に出そう!と考えたときに、まず現れるハードルです。
法律が絡む話は頭をかかえて悩むほどでも、また難しいことだなと尻込みするほどではありません。ただし、きちんと起こりうる問題を整理して、ひとつずつ解決していく必要があります。
量産は様々な問題があります。スイッチサイエンスも頭を抱えていることです。ロット数が大きくなると原価は下がりますが、一方で在庫リスクが上がります。資金が充分でない場合には、回収するまえに運転資金が不足してしまうなんて事態も考えられます。運転資金を考えた上で量産品の部材選定をすることが、小さな製造業者には必要です。
感想
メイカームーブメントは自分自身が使いたいものを作るという段階から、サービスやプロダクトとして提供する段階にきました。ただ、誰かに使ってもらうものを作るというのは簡単ではなく、超えなければいけないハードルがいくつもあります。おそらく一人の力で超えるは難しく、複数のメイカーが力を合わせることでやっと到達できるのではないかと私は考えます。これまではそういった活動は企業内のみで実現可能だったのかもしれません。しかし、オープンイノベーションという考えによって、企業の内部に居ながらも外部とうまく連携しながら新しい何かをつくることが可能となりました。新しいものをつくるという夢を実現する方法は確実に増えていると思いました。
インターネットが世の中に広まった頃に現在のような利用状況が想像できなかったのと同様に、物がインターネットに繋がることで何がおこるのか私は想像できません。加速度的に進化するメイカームーブメントの流れを思うと、意外とすぐにIoTが当たり前になってしまうのかなって思いました。乗り遅れないためには「思い立ったが吉日」という考えて動くのが良策なのかもしれません。あと、「やりたいことを言い続ける」ですね。