Windows 10 IoT Core Insider Previewを動かしてみました

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Raspberry Pi 2の発表のときに話題になっていた、「Windows 10 IoT Core Insider Preview」がついに発表されました。公開されたドキュメント通りのことしかしていませんが、ちょっと動かしてみましたので紹介したいと思います。

今回公開されたのは、Windows 10 IoT Core Insider Previewというもので、Raspberry Pi 2とMinnowBoard Maxが対応するプラットフォームです。MinnowBoard Maxは、Atom E38XXシリーズのボードで気にはなっているのですが、手元にありません。今回はRaspberry Pi 2でWindows 10 IoT Core Insider Previewを動かしてみたいと思います。

Windows 10 IoT Core Insider Previewのページで、Raspberry Pi 2を選択すると、セットアップ方法が紹介されていました。必要なものは、Raspberry Pi 2と、それを動かすのに必要なACアダプタ、HDMIディスプレイとケーブル、8GB Class10のmicroSDカード、そしてWindows 10 Insider Previewが動いているPCということです。microSDにWindows 10 IoT Coreのイメージを書き込むため、パソコンでmicroSDを読み書きするための道具も必要でした。

当社でもRaspberry Pi 2 Model Bの取扱があります。また、当社のRaspberry Pi 2 スターターキット(有線版)をお買い上げいただくと、パソコンやインターネット接続以外の必要な物が一度に揃います。

ドキュメントには、Windows 10(build 10069以降)を動かすのは物理マシン(つまり仮想マシンは不可)とありましたが、私は普段Macを使っていますので、VMware Fusion 7.1.1で動くようにセットアップしてあった、Windows 10 Insider Previewをインストールしてある仮想マシンを使って作業をしました。恐らくポイントは、USB-microSDアダプタが常にWindows 10から認識されるように、VMware Fusionで設定をすることだと思います。
vmware_config
「TS-RDF5 Transcend」というのが、今回私が用いたUSB-microSDアダプタです。

次に、Windows 10 IoT Core Insider Previewのディスクイメージを入手します。ドキュメントによると、ここにアクセスして、connectアカウントを設定をするように記されていました。ブランクページ(空白のページ)が表示される方は、既に設定がなされている人ということです。

私は他の目的でこのサイトにアクセスをしていたため、ブランクページが表示される状態でした。アンケートページで、EULA(使用許諾契約)に同意したところ、ダウンロードページでWindows 10 IoT Core Insider Preview Image for Raspberry Pi 2をダウンロードできるようになりました。これで、Windows_IoT_Core_RPI2_BUILD.zipがダウンロードできました。

ダウンロードしたzipアーカイブの中には、 flash.ffuというファイルが入っています。これが、microSDカードに書き込むディスクのイメージファイルです。まず、USB-microSDアダプタなどを使って、microSDをWindowsマシンに接続します。(仮想マシンを使うときには、前述のようにVMwareなどの設定をして、microSDをVMに認識させてください。)

ここからは、Windows 10のコマンドプロンプトで操作を行います。まず、Administrator権限で、コマンドプロンプトを起動しましょう。スタートメニューにcmdと入力して、Ctrl+Shift+Enterを入力すると、管理者権限で実行するかダイアログが表示されます。ダイアログが出て、「はい」をクリックし、コマンドプロンプトが起動すればうまくできています。

コマンドプロンプトを起動できたら、まず、diskpartコマンドを使ってディスク番号を調べます。コマンドプロンプトで、

diskpart

とコマンドを実行します。すると、プロンプトが「DISKPART>」になりますので、そこで

list disk

というコマンドを実行し、接続されているディスクの一覧を表示します。ここで、microSDが推奨どおり容量8GBのものであれば、7580MBなど、8000MB弱の容量のディスクがリストに含まれているはずです。私の場合、7580MBのディスクが「ディスク1」として認識されていました。これで、次のステップでディスクイメージを書き込むべきドライブが「1」だということが分かりました。diskpartコマンドを終了するには、

exit

というコマンドを実行します。

ディスク番号が分かったので、書き込みを行いましょう。先ほどのflash.ffuを展開したディレクトリに移動して、次のコマンドを実行します。このとき、「/ApplyDrive:\\.\PhysicalDriveN」の最後のNに相当する部分に、先ほど調べたディスク番号を書き込みます。先ほどの例では、ディスク番号が1でしたので、「/ApplyDrive:\\.\PhysicalDrive1」とコマンドを実行します。ディスク番号を間違えると、違うディスクにWindows 10 IoT Coreを書き込んでしまい、ディスクを壊すことになります。慎重に慎重を重ねて確認をしてから、次のコマンドは実行しましょう。

dism.exe /Apply-Image /ImageFile:flash.ffu /ApplyDrive:\\.\PhysicalDriveN /SkipPlatformCheck

dism2

コマンドを実行すると、イメージのmicroSDへの書き込みが始まります。進捗が100%になり「操作は正常に完了しました。」と表示が出れば完了です。microSDは、いつもUSB Flashドライブを取り外すように「安全な取り外し」を行ってください。

書き込みを終えたmicroSDをRaspberry Pi 2にセットし、HDMIケーブルとイーサネットケーブルをRaspberry Pi 2に接続した上で、Raspberry Pi 2の電源を入れ起動をします。
IMG_3902
電源を入れると、見慣れたWindowsのロゴが表示されます。画面が暗転しても、じっと我慢強く待つと(初回起動時の処理があるので、時間がかかるそうです)、青い画面に変わります。
IMG_3904
さらに、しばらく待つと、Windows 10 IoT Coreが起動します。
IMG_3905

これで、Raspberry Pi 2側の準備は完了です。

開発に使うVisual Studio 2015 Previewをダウンロードしてインストールします。Visual Studio 2015 Previewをインストールすると、さきほどのzipアーカイブ、Windows_IoT_Core_RPI2_BUILD.zipの中に入っていたWindowsDeveloperProgramForIoT.msiもインストールができるようになります。このツールもインストールしてください。

インストールを終えると、WindowsIoTCoreWatcherというツールがインストールされています。インストール終了時に、このツールが自動的に起動されます。
core_watcher
このツールで、同じLANに接続されている、Windows 10 IoT CoreがインストールされているRaspberry Pi 2が見つかるはずです。発見されリストアップされたRaspberry Pi 2を右クリックしてブラウザを開くと、こんな画面が出てくるはずです。
browser
この画面から、Windows 10 IoT Coreの上で動いているタスクの一覧などを見ることができました。また、ShutdownやRebootもできるようです。ここで一旦終了しよう、とShutdownをクリックして終了を試みたのですが…なんどShutdownしてもWindows 10 IoT Coreが再起動できるのみでした。

Visual StudioでLEDを点滅させるコードを書いて実行するところまで進めようと思いましたが、記事も長くなったので、今回はここまでにしたいと思います。続きはこちら。→Windows 10 IoT CoreでLEDを点滅させてみました