ストームグラスを光らせてみた。~ハードウェア編~

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こんにちは、川崎です。

みなさんは、ストームグラスをご存知でしょうか。ストームグラスとは、ガラス容器の中に化学薬品をつめたもので、その中の液体の沈殿の変化によって近未来の天気を予想するためのものです。十九世紀はじめごろは天気予報のために使用されていましたが、現在ではおしゃれなストームグラスも販売されており、インテリアとして使用されています。そのストームグラスを現在の気温などに応じて光らせると面白いのではないかと思い、LEDとセンサー、Arduinoを内蔵したスタンドを作ってみました。

今回はハードウェアの製作について説明します。

材料
Arduino Micro 5V 16MHz
NeoPixel Ring 16連
BME280
・回路用ユニバーサル基板
・スタンド本体(3Dプリンターで出力)

回路
まずは回路から製作していきます。
回路図2
配線図には描かれていませんが、電源はmicroUSBケーブルを使って5 Vを給電します。
NeoPixel は一つあたり最大で18mA程の電流を消費しますので、NeoPixel Ring 16連では最大で288mAほど必要になります。これにArduino MicroとBME280のの消費電流を加えても300mAを超える程度ですので、電源としてはスマートフォン充電用のAC-USB変換アダプタ等が使用できます。

BME280はI2Cで通信します。BME280は3.3 V駆動なので、3.3 Vのプルアップ抵抗として、2 kΩをSDI,SCKピンに接続します。配線図ではブレッドボード上にプルアップ抵抗を2つ配置していますが、BME280搭載 温湿度・気圧センサモジュールにはプルアップ抵抗を載せるためのパッドがありますので、そこに2 kΩの抵抗を二つ実装しました。

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この回路をユニバーサル基板上で作りました。あらかじめ、ユニバーサル基板にはスタンドへの設置を考慮して45 mm間隔で四隅にM3用のねじ穴をあけておきます。

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今後のトライアンドエラーを考えてArduino MicroとNeoPixel Ring、BME280との接続にはコネクタ(XA)を使用して配線していますが、直接ワイヤをはんだ付けしてもかまいません。

スタンド本体
次はスタンド本体の製作です。
サポート材の使用を避けるために、2つのパーツからなるスタンドを設計しました。

STLファイルのダウンロードはこちらです。

上パーツ下パーツ

まずは上パーツの加工から上パーツのくぼみにNeoPixel Ringを固定します。
あらかじめ、NeoPixel Ring本体に必要なケーブルを半田付けしておくことをお勧めします。
また、固定にはホットボンドを使用しました。
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次に下パーツの加工です。
下パーツの内側には、microUSBケーブル用の穴とBME280用に穴と固定具をつけました。
bme固定

この固定具にBME280を固定します。固定にはホットボンドを使用しました。
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BME280の値の計測の精度を上げるために、空気穴を作りました。

これで上パーツ、下パーツの下準備は完了です。
続いて上パーツ、下パーツをM3ねじとM3の高ナット28mmで固定します。
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最後に基板をねじで固定します。
IMG_8363
基板の方向を間違えないように気をつけてください。誤った方向につけてしまうと、USBケーブルをさせなくなってしまいます。

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上にストームグラスを乗せてハードウェアが完成です。

NeoPixel Ringを赤く光らせるとこのような具合です。
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結晶内での光の乱反射により、結晶が全て綺麗に光りました。
クリスマスシーズンにもってこいなインテリアになりそうな予感がしますね。

次回はBME280を使用したプログラムを製作していきます。